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小林私



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小林私

可塑

Lyricist:小林私
Composer:小林私

濡れた言葉を一つ二つと並べる窓際の陽の下
順に乾いて形を成すふんだんな分断の誇張と象徴
遅まきながら気付いたのは今までが帰納したから
なにか恥ずかしいのは抜きん出たと至って思ってしまったから

抱きしめる程の弱さもなく、突き放すような強さもない
微々たる近似値を追い求める先に幸福はあるのか

新装版案が欠けた本の縁取りを誤魔化して
昨日のこと思い出すのは訳ないのに
緊張感がさんざめく虚仮威しさえも閑却して
愛おしいと思い描くのは訳ないのに
口に出せば堪らない悪臭を放ちながら
日々を彩る美しさの輪郭を象ろうとしている欲
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そして忌みのない意思を倍していく人生が下から
キリのない地味が最たる支持体になると知っていて今更
日々を毎、日々を毎、善へ改める義理を掬い出す手に
巣食う冷たく笑う鏡を割る悪さえも携えていない
大きな陰りが土を湿らせたまま退かないような感覚が傍にいる
仄かな日和を頼りにする祈りの中の怒りや痛みを消している

浴び過ぎた悔やみの累積を知る 動けなくなる選択肢の数
進化のピリオド打っても暗闇じゃずっと帳の降りた夜、終わり

貧困な感覚だけの判断がいつか信じられない朝が来て
昨日や夢さえ朧気に溶けゆくだけの耳の奥に
振動が頻度を増して届こうと過去形の運動、可塑性の合同だ