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神谷明



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神谷明

なんどめかの春

Lyricist:海野洋司
Composer:竹尾智晴

橋のたもとを春は包んで
人待ち顔の少女が揺れる
擬宝珠(ぎぼし)にうつす 加茂川のいろ
水は流れて 時は流れて

あれはゆく春 遠い夕暮
何も知らない まっしろな二人
行くあてもなく 橋に並んだ
水はやさしい 歌を歌った

四条あたりの人のにぎわい
灯(ともしび)さえも なにやらうれしく
そっと握った 手がふるえてた
水はしずかに 見て見ないふり

あんなちいさな恋がちぎれる
人のなさけの 薄べにいろに
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春を嘆いて まだひとり旅
水はつめたく まぶたはあつく

恋というには あんまり辛(つら)く
愛というには まだあどけない
悔いだけ残る 春の思い出
水は流れて 橋は暮れゆく

手すりの傷も あの日のままで
胸に突き刺す 夢の確かさ
思い出ひとつ 橋にあずけて
鐘が聞こえる 泣けとばかりに

水は流れて 人は去りゆく
水は流れて 時は流れて

水は流れて 鐘の音(ね)ひびく
水は流れて また春がゆく







神谷明
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