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鏡五郎



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鏡五郎

沓掛道中

鏡五郎・佐野文香

作詞:木下龍太郎
作曲:山崎剛昭

擦れて痛むか 草鞋の紐が
旅はつらかろ 女には
世話をかけます 浮き世の縁で
足手まといの 母子(おやこ)連れ
夫婦もどきの 旅姿 お絹 沓掛 時次郎

「渡世の義理とは言え お絹さん 私(あっし)は
ご亭主をこの手に掛けてしまいやした。
償い切れねぇ罪ほろぼしの真似事に 
お内儀(かみ)さんと太郎吉坊は 沓掛の時次郎 
この身に代えて一生面倒見させていただきやす。」

好いちゃいけない 亭主の仇
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憎みながらも 恋ごころ
惚れちゃならない 罪ほろぼしが
せめてこの世で 済むまでは
けむり三筋の 浅間山 影も三っつの 中山道

「私が弱いばっかりに……薬代のために時次郎さんを
やくざ出入りの助っ人に行かせてしまった。
二度と刀は持たないと心に決めて足を洗った方なのに。
私たち母子(おやこ)のために いいえ
このお絹のために戻ってください時次郎さん…」

一度限りさ 一度は捨てた
長脇差(ドス)を抱いての 助っ人は
生きて戻って 私のために
たとえ手傷を 受けるとも
いつか心は 固結び お絹 沓掛 時次郎