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藍空と月



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藍空と月

描写

Lyricist:kanju
Composer:kanju

網戸越しの風で起きた
部屋はもう暗い
突っ伏して寝てた頬には袖の皺が付いてた
君に渡すはずだった言葉達が
藍色に溶けては紙に滲んでゆく

君がいないことを忘れようとするたびに
君を思い出すから

日毎に薄く、遠くなってゆく君に縋り付いても
焼けた手に痛みが残るだけ

君といても心はいつまでも痛いし
君がいなくても心は痛いし
止まったペンの先に溜まったインクが
色のついた涙に見えた
繋がるのは苦しいけど独りは辛いし
生きるのに疲れても死ぬのは怖いし
雲の影さえ、青空さえも
見るのが億劫になったのは全部
君の所為だよ

今頃になって点け忘れた灯りに気付く
もう疾うに慣れた目
過去へと紙を捲る風

また一つ風が抜けた
紙を飛ばして散らかした
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描いた景色が床に散る

眺めていても何一つ戻りはしない
自分の生き方に憂いが募るだけ

描いた景色もこの心も全部
この部屋と同じ藍に染まってくんだ
散れば尊し、吹けば美し
そんな綺麗事なんかで君を割り切れるものか

わからないまま
君を見たまま
どこで何ができたのだろうか

大事に思うのと大事にするのは
同じ様で違っていたんだ

六月、出逢った日の雨音を描いた
七月、曇天の遊園地を描いた
八月、氷の無い温いコーラを
九月、雲の影、川の光る飛沫を

君といても心はいつまでも痛いし
君がいなくても心は痛いし
きっと失くしてしまうのだから
消えて無くならない様に君を描いてるんだよ

これでいいだなんてさ、思ってないんだよ