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東京力車



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東京力車

生きてわかることがある

Lyricist:松井五郎
Composer:藤谷一郎

茜雲(あかねぐも)を仰ぐ
梢(こずえ)にゆれる葉音
名もない鳥の群れ
滲(にじ)んだ尾根の彼方

散りゆく花は
季節を永遠(とわ)に渡る
去りゆく者の
思いを木霊(こだま)にして
いのちがもしも
旅だと言うのならば
ここは何処(いずこ)

なぜか人が夢に沿う(そう)字は
なぜか儚い(はかない)と読むのですね
けれどそれは朧(おぼろ)ではなく
一度きりの実りなのですね
生きて 生きて
生きてわかることがある

月影に吹く風
川面に落葉の舟
虫の音は古(いにしえ)
心を運んでゆく

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夜空に満ちる
瞬きただひとつも
届かぬものと
知りつつ手を伸ばして
いのちが道を
繋ぐと言うのならば
いまはやがて

なぜか人は憂いそこから
なぜか優しくなれるのですね
そしてそれは標(しるべ)のように
絶えず続く祈りなのですね
生きて 生きて
生きてわかることがある

なぜか人が夢に沿う(そう)字は
なぜか儚い(はかない)と読むのですね
けれどそれは朧(おぼろ)ではなく
一度きりの実りなのですね

歩きながらただ空を見て
歩きながらただ風にふれて
過ぎてみれば道は一筋
遠く近くただ伸びてゆく
生きて生きて
生きてわかることがある