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中村悦子



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中村悦子

火焔のお龍

Lyricist:矢島ひろ明・多野亮
Composer:花笠薫

赤城おろしが 舟足を
停めた上州 利根の川
五料(ごりょう)の河岸場(かしば)の 舟宿で
もろ肌脱いで ツボを振る
女渡世の 火焔(ほのお)のお龍(りゅう)

お龍を最初に見たのは
上州佐位郡は国定村ヨ
名主をつとめる一人娘がどう間違ったか
今はツボ振りでィ…
白(しれ)え項(うなじ)に小股の切れ上がった艶(いろ)っぽさは、
いつか江戸で見た町娘のように、
そりゃァ美しかったぜ

風がふたつに 分岐(わか)れ道
左、日光 右は江戸
東に往(ゆ)こうか 戻ろうか
鳥追い笠で 賽(さい)を睨(み)る
忠治恋しい 火焔のお龍
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あれから三年たつが、お龍の盆ござを見たのは
倉賀野宿ヨ…
もろ肌脱いだ姿は、そりゃァ見事だった。
まっ白(ちれ)ェ肌に、目の醒めるような
火焔(ほのお)と青龍(りゅう)が彫られていて、
そいつが今にも肌から抜け出すかのようだったァ

人の運命(さだめ)と はぐれ雲
風の吹きよで 雨になる
任侠ひとすじ あの忠治(ひと)の
値うちは金で はかれない
紅が淋しい 火焔のお龍

忠治の男侠(おとこぎ)にぞっこん惚れちまったお龍
そりゃあ忠治もお龍を愛していたにちげえネェ
ふたりは疵痕(きず)をなめ合う狼のように庇(かば)いあいながら
人生の裏街道を隠れるように…
ウフフ…チョイと余分なことを言い過ぎてしまったらしいな…
それではごめんなすって へい!