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加藤登紀子



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加藤登紀子

コージ

Lyricist:倉本聰
Composer:加藤登紀子

コージのおやじは炭鉱で死んだ コージ16才の夏のこと
残されたおふくろと妹のために 何とかしなくちゃいけないと
こわれた炭鉱長屋の片すみで 毎晩一人でうたのけいこをした

つぶれかけた炭鉱の町に コージのうたが風にのって流れていった
すがりつくものが何もないから 哀しみに誰もがすがりつく
コージのうたはうまくはないけど コージのうたは俺たちのうた

ある日札幌のディレクターが来て コーヒー1杯おごられてコージは町を出た
ラジオから流れるコージのうたは いつか日本中に流れていった
悲しみにみちた街から街へ コージはうたって歩いた ラララ…

コージが生まれた故郷の町の 炭鉱がついに閉鎖になった
若者たちは町を救うために 大きな祭りを考えた
この町が生んだヒーロー コージをもう一度呼んで 歌おうと

東京のコージに電話をかけたけど コージはなかなかつかまらなかった
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冷たい声の女の言葉が ただ事務的にかえって来た
ギャラは900万スタッフは25人 コンサートは遠い遠い夢になった

ギターひとつでうたっていた コージのうたをもう聞くことは出来ない
祭りは作れず炭鉱は消えて 町のにぎわいも子供の声も消えていった
山にはただ静けさと 自然の大きな息吹が残された

10年たったこの小さな町 暮らしに疲れた女がある日聞いた
廃屋の影からギターひとつで うたう男の淋しいうた
その男の横顔にはあのなつかしい コージの面影がみえた

あんたたしかにコージじゃないか どうしてそんなとこにいるんだよ
コージどうして泣いたりするのさ みんなずっと待っていたんだよ
コージみんなを呼んでくるから もう一度あのうたをうたおうよ
コージみんなを呼んでくるから もう一度あのうたをうたおうよ

ラララ…