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永井龍雲
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母さんの唄
いつでも どんな時にも 涙はみせずに
皺ふえた顔に 笑いさえうかべて
あなたは 何を心の ささえにしてたの
何も言わず働く 後姿さみしそう
私は 知ってます あの日 布団の中で
聲を殺して 泣いてたことを
わずかばかりの幸福 さがしてみたけれど
母には 縁のない ものだったのでしょうか
お前が大人になるまで 母さん 頑張ると
胸に抱き 目を見つめ 私に言っていた
なのに何故 母さんは 死んでしまったの
もう少しで左団扇 できるところだったのに
背中に 私を背負い 歩いた この小道
二人で唄った 夕やけ小やけ
最後まで 私には 涙を見せずに
淋しく ひとりで 死んでいった 母さん
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