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長渕剛



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長渕剛

ふるさと

作詞:長渕剛
作曲:長渕剛

ふるさとは捨ててきたはずなのに
私は今また何故ここに来たんだろう
三十年前暮らしてた私の家(いえ)
今では大工職人の花木さんが一人で住んでいた

黒くすすけた低い天井と
六畳一間の古い柱の傷
ここで父が荒れ狂い、母が泣き、姉が泣き
一家四人、全てあの時のまんまだ

ふぞろいの湯飲み茶碗で
花木さんが入れたお茶を飲み
目をつむったら聞こえてきた
精一杯の生きる故の残酷な
あまりにも残酷すぎる悲鳴が

貧しさが幼き瞳を
臆病という隅に追いやった時
「耐えて行くのだ!」といったい誰が
手をつかみ強く言えるのだろう

つかの間の優しさで、幼き瞳が
こぼれ落ちそうな涙をこらえたら
黙って両手でただ抱きしめるだけでいい
優しくなかったのは私なんだから

もっと沢山の歌詞は ※ Mojim.com
清らかすぎる心と
まぶしい誠実が
痛くて、恥ずかしくて、息苦しくなった時
人間は右手を自分の胸に
そっと、押し当ててみるものだ

いつの日からだろう心を語るのに
こんなに気をつけなきゃいけなくなった
悲しみが、どんな生き物よりわかるから
一心不乱に“勇気”と“希望”を探し当てるんだろう

しあわせが川の流れなら
なぜ、知らない人たちがせきとめるのか
壊れてゆこうとも生きてゆきたいのさ
踏みにじられたら腹から怒ればいいんだ

アジアの中の
日本という小さな島国は
私の少年よりもっと貧しくなったみたいだ
そして強いられるものは とてつもない窮屈さと
当たりさわりなき、意味のない自由というもの

私の中に今、沸き上がってきた感情
そうだ、これがまさしく私のふるさとなんだなあ

誰よりも強かった父よ、言葉を忘れ歩けなくなった母よ
はらはらと はらはらと最期の桜が散っています