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川野夏美



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川野夏美

びりけつのジュン

Lyricist:いまむら瞭
Composer:いまむら瞭

路面電車飛び乗ったり
柿の実盗(と)って怒られたり
子供の頃悪戯(いたずら)したけど
叱られるのはびりけつのジュン

焼け野原の町に帰って来たのも
終戦を随分過ぎてから
亡霊みたいに玄関に突っ立って
相変わらずびりだねぇってみんなで泣いた

そして五十年過ぎて 姉弟(きょうだい)ふたり暮らし
何度も見合いを断ったのは
お荷物だったあたしが居たから ごめんね

ジュン、此の頃 子供に還ったね
ジュン、あたしも 忘れそうだね
人を押しのけずに生きてきたあなたを
神様はきっと知ってるよ ジュン

歳を取ったら お散歩も難しいの 支えきれない
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大好きな珈琲も 重たくて零れてしまう
先にジュンをみおくってから
あたしの番だと思ってたけど
都合良くはいかないものね
独りでもちゃんと暮らすのよ

生きて帰れなかった 戦友に済まないからと
遊びの一つもすればいいじゃない
おまけの人生だなんて言わずに バカだよ

ジュン、あんたは幸せだったの?
ジュン、あたしは幸せだったよ
こんなにも長く姉弟が一緒に
暮らしてこられたもの

ジュン、此の頃 子供に還ったね
ジュン、あたしも 忘れそうだね
人を押しのけずに生きてきたあなたを
神様がきっと待ってる
でも、びりでいいよ ジュン