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永遠の朱雪

作詞:hotaru
作曲:Tom-H@ck

遠い昔の雪の降る時分
箱入りの姫は密やかに逢瀬を重ねていた
男は市井(しせい)の若人 許されぬ愛は
嗚呼、何故に燃えてゆくのか
「今は雅な羽織さえも忌まわしい」
と姫は泣く
「今宵、月と共に逃げてしまおう」
男はいざ、その手を取る
駆け出す背に雪が
積もれど 積もれども
その影は闇夜に深まるばかり

朝、宮人の追っ手が迫れば
男は震える手に力込め刀を振るっていた
嗚呼、覆水は盆に返ることはない
雪に血が降り 愛の火のよう
「愛と罪とが首にきつく辛いの」
と姫は泣く
「此処で立ち止まるわけにはゆかぬ」
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男はまた、その手を取る
行先など知れず
歩けど 歩けども
その時は無情に近づくばかり

「一目見た時決まった定めでしょう」
朝霧に笑みが映え
「箱の中では人生(いのち)などなかったの
もう一層 構わずに
そなたと共にどこまでも行きましょう
雪の道を」
「然(さ)らば永遠(とわ)の場所へ共にゆこう」
姫は嬉し 空を仰ぐ
迷いが消えたように
からりと晴れゆく
「さらば、永遠(とわ)の場所でまた会えよう」
男はいざ、刀を取る
震わぬ手で涙拭い
微笑み湛(たた)えた姫の胸に
刀を深く深く突き立てた 嗚呼!