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F-BLOOD



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F-BLOOD

雨になりそうな空

作詞:藤井フミヤ
作曲:藤井尚之

凍えそうなビルの合間 ゴミに埋もれて
蹲る痩せた野良犬が
耳を垂らし 上目遣いに
白い思考にぽつり空腹だけを感じる

空虚にすれ違う影を見つめて
うな垂れて寂しげな声で吠える

雨になりそうな空 あてもない孤独色の
ふと立ち止まった少年が食べかけの愛を差し出した

アスファルトの上 巣から落ちた幼い鳥が
迷い壊れそうに囀る
無意識の中 もがきながら
靴の隙間を抜けて折れた羽根を広げ

静寂で乾いた風の中へ
不器用に羽ばたいて落ちて行くよ
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雨になりそうな空 やるせない悲しみ色の
ふと座り込んだ老婆が手の平の愛で包み込む
放射状に交差してゆく今日という矢印たち
愛という接点を求めて生きてゆくよ明日へ向かって

心のない体 実像のない影 動けない 進めない
夢を見ない瞳 真実のない笑顔 声もない 涙もない

もうすぐ雨になりそうな空 果てしなく刹那色の
ふと瞼閉じた自分が存在する愛を確かめる
放射状に交差してゆく今日という矢印たち
愛という接点を求めて生きてゆくよ

曇りガラス指で拭い 涙のように
潤む無縁な人の行方
待ち人もなく 行く先もなく
伸びた煙草の灰が音もなく床に零れる