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藍坊主



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藍坊主

同窓会の手紙

サビだらけのタイヤを転がした 裾の汚れたレインコート
何の話をしたのかたいして覚えちゃいない 空が低かった

あいつは冬でもいつも半ズボン そのくせいつも鼻水を垂らしていた
あの子はあったかそうな手袋をいつもして
見えないお母さんと手を繋いでた

僕らはふざけあった ビニールシートを屋根にした青空の中で

あなたはいま どこで なにをしてるの?
仕立てのいいスラックスで 風を切ってるかな
あなたはいま どんな やわらかい顔で
あったかそうな手袋を 握ってあげてるんだろう
ぼくらは最強の空を作ったよな

あの子が話すお母さんを 雨を見ながら聞いていた
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頭の中のママはとても優しい目をしてた
僕はうらやましくなって 帰りたくなった
あいつはぼんやりガムを噛んでたっけ

僕らはひとつだった ビニールシートを空にした晴れの中で

あなたはいま どこで なにをしてるの?
染みひとつない革靴に ビルを映してるかな
あなたはいま どんな やわらかい声で
消えていった人たちを 愛しているのだろう
ぼくは同窓会の手紙をまた捨てた

サビだらけのタイヤを転がした 裾の汚れたレインコート