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森山直太朗



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森山直太朗

あの街が見える丘で~雲バージョン~

どうせいつかは土に還ると
出鱈目(でたらめ)ばかりの人間様が宣(のたま)った
塞(ふさ)ぎ込んだこの目が零れ落ちた

どうにもこうにもならないことが
まるで秋深い日の果樹園の葡萄のようになっている
紫色の粒があなたにも見えるなら

あの街が見える丘で
僕は大きな旗を振っているよ
天国まで続く道を探すため

しがみついても振り落とされた
狂おしいほど他人(ひと)の泣き声が耳に付いて
素敵と言われる絵画さえも目障りだ

タ日が海に沈んだ日 僕の傍らで
あなたの涙が洪積世(こうせきせい)の化石になってしまったんだ
行き場のない思いやりが羽をつけたから

あの街が見える丘で
僕は小さな声で泣いているよ
天国まで響く鈴を鳴らすため

いつになっても変わらないことを
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触角をなくした一文字■蝶(いちもんじせせり)のように捜し回っている
真理と呼ばれる決まりきったシナリオを笠(かさ)に着て

回り続ける方位磁石の針を指で止めて
澄み渡る空へ途方もなく歩き続けるとしよう
束の間だとしてもあなたの未来がそこにあればいい

あの街が見える丘で
僕はのどかな日々を謳(うた)っているよ
天国さえ霞む風を浴びるため

いくつもの眠れぬ夜を抱え 僕は行くのだろう
喜びと言い換えられるような悲しみを轍(わだち)に残し
名もなき花はやがて 枯れ果てた

そうそう、過ちはいつの日も繰り返される物だから
傷付いた心でも生きられるだけ生きてみようと思う
そんな決意が蓄積し 黄昏になるのだろう

あの街が見える丘で
僕は静かな歌を聴いているよ
天国へと宛てた手紙を出すため